〖 性癖 〗

 先日、ある席での会話で「玄光社『イラストレーション』誌の功績はhow to drawにある」という意見が出ておりました。画業でいえばわたくしもそこそこ長い。が、絵を描く画材への質問はされるものの、「どうやって描いているの」という質問を、あまりされたことがありません。ただ一度だけ、よく仕事をしていた装幀家の方が、原画を眺めつつ、「ねえ、なぜこんなに紙が削れてしまっていたりデコボコに傷んでしまっているの?」と、いぶかしげに聞くものですから、お答えいたしました、「雑巾で拭いています」と。「描いては雑巾で拭き消し、指などでこすり、サンドペーパーも多用します」、そうお答えしたところ、たいへん驚いておられました。決して筆作業が煩わしいわけではないのです… ですが、一つだけ、よく感じる事は、「さらりときれい」が、下品に見えます。
 「きたない」と「きれい」。「下品」と「上品」。こういう我が身、性根の感覚への拘泥は、何と言うか、まあ…とかく身びいきな感情であり、自分でも、いちばんよく判っていない奇妙なところです。たとえばそれは、性癖… "だから描く" という根幹のような闇でしょうか。

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by 619sak | 2015-10-11 20:12 | 作品
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